越冬6シーズン観察データ〜2  
 
 
  鵡川観察編/bP (2001.01.04〜03.31)



 3月18日・鵡川町田浦  幻想的な霧の中から突然、マガンたちが浮かび上がってきた


   
近年、静内のマガン越冬群れがウトナイ湖や鵡川町での行動と
 密接な関係をもつことを裏付ける事象が増えてきました。
   従って観察自体も静内のみならず鵡川での動向も調査する必要性が生じ
 たため、何度か出かけましたが、ここでの生態や場所の特徴がまだ分から
 ず、効率の良くないものとなりました。
  以下にその概要を御知らせいたします。
 



 ●3月31日(土) 晴れ 1014hpa
               
  午後より、娘を千歳空港へと迎えに行く復路で鵡川町各所を観察するが、
                  ほとんどガン類の姿を確認できず。既に美唄、砂川などへと移動を済ませ
                  た模様。 
  

 ●3月21日(水) 曇り 1008hpa                 

                  ※胆振地方動向〜今朝の道新に鵡川町でハクガンを苦労して撮影に成功
                   したと写真入りで掲載されていた。撮影者の「追っかけては逃げ、追っか
                   けては逃げ…」のコメントを見るにつけ、素人さんだから仕方がないといえ
                   ばそれまでなのかもしれないが、その光景が目に浮かぶと同時に、私が
                   いつも言っている“人為的なストレスを与えないように”との配慮がなされ
                   ていないので、不愉快なことこの上なし。

                   また、これを物見的スタンスで記事を書いている北海道新聞記者の識見
                   にも首をかしげたくなる。そこにハクガンがいたではなく、ガンを保護する
                   会が、手がけている国内ハクガン復帰計画などのプロジェクトはなど、大
                   切なファクターが外にも沢山あるにもかかわらず…。


 ●3月20日(火) 曇り 1003hpa(鵡川町)(正午現在気温〜10.5度)
                
    
 共栄地区で約1000羽の大きな群れを発見

   
    
ブ、ブ、ブと独特の鳴き声が辺りを席巻する
    
   
    
初めはオオヒシクイかと思ったが、大半はマガンであった

   
                  
一斉にねぐらのウトナイ湖へと編隊を組み飛び去った


    ※静内町情報〜今シーズン初めて、静内町でガン類を確認。14時42分、A牧
     場上空を南より北すなわち、襟裳岬より苫小牧(ウトナイ湖)方向へと移動
     するマガン27羽がきれいな編隊を組んで通過。気持ち良く飛翔する姿と久
     々のマガン群に感動。

    ※胆振地方動向〜ニュースで四月下旬の温かさと報じていたが、正午現在、
     静内の気温10.5度と上昇。ニュースで四月下旬の温かさと報じ ていたが、
     正午現在、静内の気温10.5度と上昇。午後から18日に観察した鵡川町及
     び厚真町の各場所をもう一度調査するが、2日前とは様相が随分と違って
     おり、今日は大きな成果はなかった。
      なお、静内町〜鵡川町間の国道沿線でガン類を確認することは出来ず。

     また厚真町共栄地区でグリーンカラーの首輪をしている標識鳥が一羽おり、
     プロミナーで粘って観察を続けたが、おりからの強風でプロミナーが暇なしに
     小刻みに揺れ『F』の文字を識別するのが
精一杯で後の文字(数字)は識別
     できず。印象としては二文字であったと思う。

     13:00〜鵡川町宮戸地区を歩くが、国道より海岸寄りは結構、田を起こした後
           のところが多くガンが採食する環境下のところが少ないが、一箇所に
           約300羽のガンが採食していた。
鵡川河口域より苫小牧寄りの国道
           より海岸線側上空を約500羽のガンが旋回する。静内と違って強風が
           凄い。

     13:15〜鵡川町田浦地区で先日、約1,000羽のマガン群を確認した水田に来
           てみるが、ガン数は僅かに30羽程度でがっかり。その他、周辺の田浦
           地区を回ってみるが全くガンの姿を確認出来ず。

     13:50〜先程、上空を旋回していたと思われる箇所を探すが海岸線と牧草地
           などで採食に適すると思われる場所を発見できず。単なる旋回だけの
           事象だったのか。

     14:40〜鵡川町より道道厚真鵡川線で厚真町まで走るが、大きな群を確認出
           来ず。

     15:45〜厚真町上厚真一帯を観察するが大きな群を確認できず。
     16:05〜厚真町共栄橋付近の共栄地区を捜し、圧巻、約1,000羽のマガン群を
           発見。中にグリーンカラーの標識鳥が一羽おり、プロミナーで何とか確
           認できないかと90分間、粘りに粘るが折からの強風で「F」までは確認
           できたが後の文字(数字)を確認できず。

     16:50〜群が一斉に北西にあるねぐらのウトナイ湖へと飛び立つ。

 ●3月18日(日) 晴れ 1001hpa(鵡川町)          
    
    
   
  
   いかにも鵡川町らしい田園風景の中でマガンたちはオオハクチョウなどと一緒に元気に落穂を採食活動

   ようやく暇が出来き、今シーズン初めて鵡川町及び厚真町でガン類の観察。
   新聞報道でウトナイ湖周辺のマガン数が約一万羽という記事が紹介される。
   まだまだ、群の北帰行が始まってはいないと考えていたが、予想に反しもう始
   まっていたことに気づく。しかし、時期的なことを考えればむしろ当然の事象。
   鵡川町、厚真町での群行動の印象は最盛期には数量的に劣るものの3月の
   ガン行動そのままで、盛んに上空を多数の群が行き交い、また、水田の各所で
   落穂を採食する行動を見ることが出来た。
   お目当ての静内越冬組シジュウカラガン、ハクガンは確認情報としてハクガン
   を確認したが、残念ながら自分の目での確認には至らなかった。

   10:00〜鵡川町でガン80羽の小群を発見。水田で落穂を採食。しかし、思ったよ
         り個体数がいない。

   10:20〜鵡川河口域を探索。川中はこの時期になっても約八割が分厚い氷に覆
         われ、周辺は水田や牧草地などの採食場所もなく、ガン類が生息しそう
         な雰囲気がまるでなし。

   11:10〜鵡川町北西方向よりオオハクチョウ、マガンの群が次々と飛来し、水田
        に降りて採食をする。

   12:15〜鵡川町で約1,000羽のマガン群を確認。オオハクチョウも40羽程度が群
        中に混合している。また、上空から次々と群れが加わる。

   13:30〜鵡川町内の各地の水田で採食をしているマガン群は数知れず。気温が
        10度まで上昇し、ようやく春らしい気候となる。上空ではマガンの小群が
        次々と飛び交い、十勝のオオヒシクイの最盛期を彷彿させる。

  14:40〜鵡川町より道道千歳鵡川町線で厚真町まで走るが、群が確認できるの
        は鵡川町まででこの道路沿い厚真町ではガンの確認は出来ず。

  15:20〜厚真町内でハクガンを確認したと電話が入る。
  15:55〜現地へ急行するが飛び去った後。小さな群は少々、見かけるもハクガン
        を確認することは出来ず。