越冬6シーズン観察データ〜2
鵡川観察編/bQ (2001.01.04〜03.31)
2001.01.04 PM14:20 汐見地区でマガン群れを発見
2001.01.04 PM15:55 編隊を組んで西の方角(ねく゜ら方向)へと飛び去る
●3月2日(金) 晴れ
2月24日、鵡川町で総計55羽のガン類が確認されたとの情報を本日入手。
このデータは今シーズン静内で越冬した数と同一。その後の群がそのまま鵡川
へと移動したことが判明。
さて、このまま鵡川町で過ごすのかについては予測がつかないが、昨シーズ
ンの今時期、二度ほど静内〜鵡川間を往来した経緯もあり、今後の行動に注目。
●2月27日(火) 晴れ
※町内でガン類を確認出来ず。
※2月24日、午前8時30分、ウトナイ湖でマガン36羽・ハクガン1羽が確認され
たとの情報が入ったが、群数、群構成からして静内で越冬していた群の一部
に間違いないと思われる。
※今シーズン静内町で越冬した個体数はマガン、ハクガン、オオヒシクイなどを
含めて総計55羽であるが、ウトナイ湖での確認数が37羽というのが正確で
あるならば、残り18羽がまだ未確認であり、これらが何処にいるのかについ
ては不明である。
※2月下旬の静内での群行動では、少なくても3つの群が形成されており、これ
らが別々に生息している可能性が高いと思われる。
※残り2班?のねぐらについては、ここ数日の調査の結果、胆振・日高のほとん
どの河川は、静内川を除き河口域を中心にが結氷しており、ウトナイにねぐら
を求めても不思議ではないと思われる。
●厚真町
○大沼〜全面結氷でねぐらとしては使用不可能。
●鵡川町
○鵡川〜河口域全面結氷しているが、中流域の一部でねぐらとして使用可
能。
●門別町
○沙流川〜河口域は全面結氷しているが、中流域の一部でねぐらとして使
用可能。
○日高門別川〜河口域は全面結氷しているが、中流域の一部でねぐらとし
て使用可能。
○波恵川〜河口域は全面結氷しているが、中流域の一部でねぐらとして使
用可能。
○慶能舞川〜河口域は全面結氷しているが、中流域の一部でねぐらとして
使用可能。
○厚別川〜河口域は全面結氷しているが、中流域の一部でねぐらとして使
用可能。
●新冠町
○新冠川〜河口域でほとんど結氷しているが、中流域でねぐらとして使用可
能。
●静内町
○静内川〜河口域で一部は結氷しているが、ねぐらとして使用可能。
●2月25日(日) 曇り
※静内町内を昨日に引き続き調査するも2羽の小群、本隊群れを確認出来ず。
残念ながらマガン群れたちは静内町内より他の町(地域)へとねぐら及び採
食地共に移した可能性が強い。しかし、例年より数週間早いこの時期に、な
んの理由で移動したのかについては分からない。
※考えられる移動先としては、今シーズンのこれのまでのマガンたちの行動よ
り判断すると、静内町より西に位置する厚真町、鵡川町、門別町、新冠町で
ある確率が高い。
※三石町、浦河町の河川及び国道沿いを調査するが群れを確認出来ず。
※東胆振地区及び日高地区河川の結氷状況は下記のとおりであるが、総体的
には河口域では結氷しているものの中流域でねぐらとして使用可能な状態と
なっており、この時期、静内川以外の河川でねぐらをとることは困難な環境で
はないことが判明。
※2羽の小群は午前中より一日、観察するもその姿を確認することは出来ず。
※2月という時期的な要素を考慮すると再び静内へと舞い戻る可能性も少なくは
なく、今後の行動に目が離せない。
●厚真町(2/24日調査)
○大沼〜全面結氷でねぐらとしては使用不可能。
●鵡川町(2/24日調査)
○鵡川〜河口域全面結氷しているが、中流域の一部でねぐらとして使用可能。
●門別町(2/24日調査)
○沙流川〜河口域は全面結氷しているが、中流域の一部でねぐらとして使用
可能。
○日高門別川〜河口域は全面結氷しているが、中流域の一部でねぐらとして
使用可能。
○波恵川〜河口域は全面結氷しているが、中流域の一部でねぐらとして使用
可能。
○慶能舞川〜河口域は全面結氷しているが、中流域の一部でねぐらとして使
用可能。
○厚別川〜河口域は全面結氷しているが、中流域の一部でねぐらとして使用
可能。
●新冠町(2/24日調査)
○新冠川〜河口域でほとんど結氷しているが、中流域でねぐらとして使用可能。
●静内町(2/24・25日調査)
○静内川〜河口域で一部は結氷しているが、ねぐらとして使用可能。
○門別川〜河口域で全面結氷しているが、中流域でねぐらとして使用可能。
○布辻川〜河口域でほとんど結氷しているが、中流域でねぐらとして使用可能。
●三石町(2/25日調査)
○三石川〜河口域で一部は結氷しているが、国道より上流部はねぐらとして使
用可能。
○和寒別川〜河口域で50%は結氷しているが、ねぐらとして使用可能。
●浦河町(2/25日調査)
○元浦川〜河口域でほとんど結氷しているが、中流域でねぐらとして使用可能。
○向別川〜河口域でほとんど結氷しているが、中流域でねぐらとして使用可能。
10:10〜この時間より静内町、三石町、浦河町の河川、国道沿いを調査開始。
13:50〜この時間まで調査するも今日は群れを確認出来ず。
14:20〜この時間より静内町内の調査開始。
15:30〜この時間の神森、目名、田原、御園、浦和地区を調査するも群れを確認
することは出来ず。
●2月24日(土) 曇り
※残念ながら、本日は2羽の少群及び本隊を確認出来ず。新冠町、門別町、鵡
川町、厚真町の河川、国道沿い採食候補地などを調査するもマガンの群を発見
できず。
※厚真町、鵡川町、門別町、新冠町、静内町の各町のねぐら候補地及び群れを
調査するが、残念ながら収穫はなし。群れは何処へ移動したのか不明。ねぐ
ら候補地としては厚真町、鵡川町、門別町の三町には適当な箇所はないと思
われ、それ以外の町で生息しているものと思われる。
※17日に宮城県では約4000羽が渡りの北上でマガンがいなくなったとの情報が
あるが、静内町〜鵡川町間の国道235号線沿いではマガン群れを確認するこ
とは出来ず。
※2羽の小群も今日は確認出来ず。久々に確認数が0羽となる。
8:00〜ねぐらの可能性がある厚真町大沼を調査するが分厚い氷で全面結氷し
ており、ねぐらとしては不完全な環境であり未使用と思われる。
8:30〜ねぐらの可能性がある鵡川町鵡川を調査するが河口域を中心として全面
結氷しており、ねぐらとしては不完全な環境であり未使用と思われる。
9:10〜鵡川町汐見地区、宮戸地区を調査開始。
10:30〜そろそろオオハクチョウが水田で落穂を食している個体数が目立ち始め
る。しかし、この時間まで鵡川町を捜し歩くが群れを確認出来ず。
10:50〜鵡川町鵡川を調査するが河口域は全面結氷しており、ねぐらとしては不
完全な環境であり未使用と思われる。中流域は一部に開水面あり使用可
能。
11:00〜門別町沙流川を調査するが河口域は全面結氷しており、ねぐらとしては
不完全な環境であり未使用と思われる。中流域は一部に開水面あり使
用可能。
11:20〜門別町厚別川を調査するが河口域を中心として全面結氷しており、ねぐ
らとしては不完全な環境であり未使用と思われる。
11:30〜新冠町新冠川で調査をする。河口域には少しの開水面がある程度であ
るが、町水道水源地付近上流のオオハクチョウねぐら場所は大半が開
水面でねぐらとして使用価値は有り。
11:50〜神森地区を調査するも群れを確認出来ず。
13:20〜神森地区を調査するも群れを確認出来ず。
14:45〜この時間まで目名地区、田原地区、御園地区など今シーズン採食した
場所を調査するも群れを確認出来ず。
15:40〜静内川を河口より3.5km上流まで(含む目名川合流点)及び5.0km上流
までの二ポイントを調査するも群れを確認出来ず。今日のオオハクチ
ョウ個体数112羽(成鳥104羽、幼鳥8羽)で、約100羽近くが減っており
他の地域へと移動したと思われる。
16:00〜神森地区を調査するも群れを確認できず。今日の調査を終了する。
●1月5日(金) 晴れ
14:30〜ウトナイ湖サンクチュアリで葉山チーフレンジャーと会う。マガンのねぐら
の話もしたが、今までにはそれらしきものについては未確認とのこと。
また、この日、沼の氷が全面結氷しているのを確認。この状態で状態で
はねぐらとしての機能は果たさず。しかし、白鳥給仕場所と美々川流入
部分の二箇所は結氷しておらず、特に美々川はねぐらの可能性が大と
思われる。
16:30〜鵡川町宮戸地区と潮見地区で群を探す。
17:45〜この時間帯まで宮戸地区で群を探すが確認することは出来ず。
●1月4日(木) 晴れ
※汐見地区・Aさんの話〜今シーズンは12月6日に鵡川町に初雪が降り、その
日に汐見でこの群を確認している。
※静内町での群は確認できず。しかし、この日鵡川町で確認。
14:20〜強風が吹き荒れる鵡川町宮戸地区と汐見地区を探索。汐見第二の水
田地帯でシジュウカラガン1羽を含む群54羽を確認。静内とは違いこ
こでは牧草ではなく落穂を採食しているのが興味深い。
15:20〜車に乗ったまま群に近づくが少々接近しただけで群は上空へ。
15:45〜数百m離れた同じ鵡川町汐見の水田で発見。このことから今年の群
がかなり用心深いことが分かる。
15:55〜再び車に乗ったまま群に近づくが群はかなり上空へと舞い上がり、見
事な渡り時に見せる鍵状編隊を形成しウトナイ湖がある西方角へと飛
び去る。
このことからこの時点での群のねぐらは静内ではなく、ウトナイ湖の可
能性がかなり高くなる。