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札幌龍谷学園高校 A − 0 信愛女短大付(和歌山県)谷岡・渡辺 C − 0 中野・吉井藤田・高塚さ C − 2 熊鳥・阪本
佐々木・高塚み − 柴崎・田ノ岡(打ち切り)
(ノーゲームとなったが、試合は終了しており記録はC−2)
今大会、戦前予想は立志館広島、信愛女短大付、札幌龍谷学園3校の争いになるというもので
あったが、立志館広島が途中、3回戦で指宿商業(鹿児島)に苦杯はしたものの、残りの二校が順
当に勝ち上がり、決勝戦を迎えた。
信愛女短大付は、春の選抜大会こそ二回戦で松商学園に予想外の敗戦をしたが、元々実力が
あるチームで、中でもエース中野はジュニアナショナルメンバーに選ばれ、昨年度の個人戦第3位
の実力のある選手。和歌山県というソフトテニスが盛んな環境の中で鍛えられ、どの選手も粒ぞろ
いで、ここまで勝ち上がってきた。
当然、札幌龍谷学園とは実力の差などはないが、結果的には2−0で龍谷の完勝。では、勝敗を
分けたその差とは何だろうか。負けた林監督は「精神力、ミスがなく、乱れない」と語っているが、前
回チャンピョンというプライドと自信、そして、この一年間、平日は5時間、休日は9時間という猛練
習の成果と思う。
前回優勝メンバー8人中、主力となる6人が残っており道内では全く敵なし。全国大会でもこの一
年間で前年度優勝、春の選抜では準優勝とつまり、勝つ味を知り尽くしている選手たちは、どんな
局面でも負けない、負けるはずがないという気持ちが強く、その気力の差が決勝戦での完勝となっ
た感がする。
それを象徴しているのは、エース対決であり、ジュニアナショナルメンバー対決ともなった谷岡対
中野の第一ゲームでの打ち合い。
中野がアドバンテージを取るものの、追いつかれ、そしてまた、アドバンテージをとるものの谷岡
が何でもなかったように簡単に追いつくといった展開が何度も繰り返された。どんな局面を迎えても
不思議と谷岡は落ち着き払ってのクロス、シュートボールを自信満々に打ち込んでいったものであ
る。
逆に言えば、中野が根負けしたというより、最後はどこに打ち込めば良いのか、攻める方法がなく
なっていった印象を受けた。
つまり、その精神力を谷岡だけではなく、札幌龍谷学園選手の全員が持ち合わせていたから、公
式には2−0であるが、事実上は3−0という圧倒的なスコアに現れたような気がする。それ程、決
勝での龍谷選手のコンセントレーション、自信に裏づけされた一つひとつのプレーは見事であった。
落ち着き払った選手の動き、何処からでも攻めて来いと、言わんばかりの堂々たる試合運びは、
将に王者の貫禄と横綱相撲そのものであった。来年度、戦力的にも主力6人残ることから来年度、
三連覇の可能性が十分可能と思える。
試合前、両校の整列。選手の心臓の鼓動が聞こえそう
さあ、決戦だ!
円陣を組み、藤堂監督から作戦と指示を受ける
対戦相手の中野・吉井は昨年のインターハイ個人戦3位の強敵
エース対決となつた第一試合、谷岡・渡辺は大将の実力で1ゲームも落とさずに圧勝
第一試合、ゲームセットの瞬間、二人がハイタッチ。このペアの特徴は、大試合になるほど強いのが魅力
戦い終わって整列。第2試合が気になるのかスコアボードに目線をおくる吉井
○谷岡・渡辺 4−0 中野・吉井
(L−J)
(C−1)
(E−4)
(C−2)
第一試合、共に全勝、そして大将同士の対決は、C−0で谷岡・渡辺が信愛女短大付、中野・
吉井を圧倒したが、この試合は第一ゲームが全てであった。
お互いに前衛、後衛の特徴を生かした攻め具合が続き、一進一退の攻防戦となり、デュースア
ゲインの繰り返しは5回を数えたが、ミスのない谷岡・渡辺ペアがしのぎ切り、最後は13−11
のスコアが示す接戦となった。
2ゲーム以降、団体戦負けなしでここまでチームを牽引してきたエースのプライドと鍛えられた精
神力、身体がものをいい、一気に試合を進め完勝、中野・吉井には今年3月、東京都でで開催さ
れた全日本私学選抜で敗れた試合のリベンジを果たした。
しかし、敗れたとはいえ、中野もさすがにジュニアナショナルメンバーに選ばれただけあって、プ
レーの一つひとつの完成度は高く、いいプレーをみせた。
谷岡の強烈なストレート、シュートボールはこの試合も威力があり、渡辺の堅実なポーチも肝心
なところで決まり、信愛女短大付の林監督が、「どんな展開でも乱れない、崩れない。うちのチ
ームとは精神力が違う」と舌を巻いたコメントに相応するゲームであったとはいえ、実力的には
大差はなく、スコアの割にはナイスゲームであった。
相手のレシーブに見事に反応する藤田・高塚さ
昨年度ハイスクールジャパンカップ二位の実力を発揮した藤田・高塚
○藤田・高塚さ 4−2 熊鳥・阪本
(C−2)
(E−4)
(C−2)
(2−C)
(1−C)
(H−7)
第二試合、藤田・高塚さやか対熊鳥・阪本戦は、藤田ペアが第三ゲームまで4−2、6−4、4−2で
B−0とリードするが、その後、2−4、1−4と逆転され嫌なムードのB−2となった第六ゲームが
勝負のポイントで、このゲームを粘りに粘って9−7で奪取したのが大きく、ラストゲームは4−2で
C−2で勝利した。(この試合は、後日補筆)
今大会、団体戦で初登場となった急造のしかも1・2年生ペアが堂々のポイントをあげてチームの勝利に貢献
強力なシュートボールを武器に一年生ながら見事、期待に応えた佐々木(右)と落ち着いたプレーが光った高塚みなみ
○佐々木・高塚み − 柴崎・田ノ岡 (打ち切りゲーム)
(7−H)
(C−0)
(C−2)
(2−C)
(C−1)
(C−1)
第三試合、龍谷、佐々木・高塚みなみ対柴崎・田ノ岡戦は記録上では打ち切りとなり、ノーゲーム
となっているが、展開上は第一試合の次に終了、試合は第二試合の結果待ち状態となった。
第一ゲーム、いきなりの接戦となり、最後は7−9で失うものの、気持ちを切り替えた二ゲーム以降
は、常に佐々木・高塚が先手、先手と挑んだ結果リードし、最後はD−2で勝利。
佐々木(1年生)・高塚(2年生)は、確かにこの大会になってからの急造コンビではあるが、静内ソ
フトテニス少年団時代は、知る人とぞ知る道内最強ペアで、平成10年、苫小牧市で開催された第
15回全日本小学生ソフトテニス選手権大会では、谷岡とともに北海道Aチームで出場、見事、全
国優勝を勝ち取ったペア。
この試合も、佐々木独特のライン深めのストロークとフォアの強打。高塚の優れたボールコントロー
ルと強烈なボレーが光った。スコアは、7−9、4−0、4−2、2−4、4−1、4−1、4−2。
昨年の初優勝以来、この1年をを振り返ると、様々なことが思い出される。良いこともあったが、
辛いことの方が多かった。
中でも、優勝したため追われる立場での選手の精神的なプレッシャーは計り知れず、高校総体
の道内予選では個人戦でベスト4をとるなど、この一年間は無敵の強さを誇り、結果を出しては
いたものの、常勝軍団としてのプレッシャーは日を追うごとに高まっていくのが分かった。それが
ピークであったのが、6月、函館市で開催された高校総体の道内予選。
各選手の動きが鈍く、取り分け谷岡については最たるもので、第一、第二試合などは全く調子が
上がらず、日本一という重圧に加え、ジュニアナショナルメンバーというもう一つの重圧も加わっ
たプレッシャーは、他の選手よりも重かった。しかし、試合を重ねる毎に調子を上げていき、最後
は優勝という結果を出したことで、本人には貴重な経験となり人間的にも一皮むけたと思う。
また、長崎インターハイに出場するまでには幾つかの障害があった。
例えば選手の体調不良と各選手の故障などである。現在は、回復したから明かすことが出来るも
のの、レギュラー選手の一人は、選手たちが本州へと出発した8月4日の前日(3日)まで、この大
会への出場も危ぶまれていた。
当然のことながら、試合には満足に出場できるかどうかを心配したのは本人と、藤堂監督であっ
たと思うが(父兄一同も心配したが)、本当に辛い思いであったと思う。
しかし、どうだろう、試合当日の動きは。個人戦、団体戦と段々と調子を上げていき、特に団体戦
での持ち前のラケットさばきの上手さ、思い切りの良いプレーは素晴らしく、各試合を見事勝利し
チームに貴重な勝ちをもたらし、とても一週間前までは体調とは思えないプレーを見せてくれたの
は、昨年度チャンピョンチームというプライドと猛練習で鍛えられたからこそ、なせた技と思う。
話を高校総体、女子団体戦に戻そう。
戦前の3強といわれた立志館広島、信愛女短大付、札幌龍谷学園の内、2強の戦いとなったので、
その意味では予想どおりの対決となった。
札幌龍谷学園は、第一シードで二回戦からのスタート、対戦相手の青森県光星学院を3−0で難
なく退けるも、3回戦は前日の個人戦で準決勝へ二組もコマを進めた九州の強豪・中村学園(福
岡県)。しかし、ここから龍谷選手の顔つきも変わり完全な戦闘モードへ。結果は佐々木・高塚み
が3−4で惜敗するも、藤田・高塚さが前日の個人戦三位ペア、梅林・山辺を4−0で圧倒、三番
手の谷岡・渡辺につなぎ、谷岡ペアもこれに応え4−0と完勝する。
準々決勝、この試合から三面同時スタート。ここ数年、力をつけてきた愛媛県代表、今治北高校。
予想どおりの接戦となり、第一ゲーム伊藤・高塚みが3−4で敗れるが、藤田・高塚が4−1、谷岡
渡辺も4−1と相手を突き放し2−1でコマを進めた。
準決勝、この試合も2−1と接戦であった。第一ゲーム佐々木・高塚みは4−2と勝利するも、藤田
高塚が2−4で完敗。ならば三番手勝負と予想したとおりの第三ゲームはエース谷岡・渡辺投入と
なったが、ここは大将の貫禄で4−1と一蹴し決勝戦へと進む。
この大会は、準々決勝から一斉に試合が始まる三面同時スタート。正直言って応援する方は、自
分の子どもは当然見なければならないし、第二、第三ゲームにも目配りをしなければならない大変
疲れる試合展開となったが、いよいよ。決勝戦がスタート。
試合展開を再現すると、第一ゲームの谷岡・渡辺が着々とポイントを重ね3−0でリードとした時点
で、第二ゲーム藤田・高塚が3−0と先行していたもののこの時点では3−2と一歩リード。第三ゲ
ーム佐々木・高塚は必死の攻防戦で2−2のタイスコアであった。従って、試合半ばでは札幌龍谷
学園高校が第一ゲームは取れるが、残りの二ゲームはどちらに転ぶかは、まだ全く分からなかっ
た。
第一ゲーム、エース対決となった第一試合、谷岡・渡辺が第一セットこそ接戦になつたものの、後
はミスのない、安定した試合運びでポイントを重ね最後は4−0と圧勝。しかし、この第一ゲームが
終了して僅か10秒前後の時間で、第三ゲーム、龍谷、佐々木・高塚みなみ対柴崎・田ノ岡戦を4
−2で勝ち、この時点で2−0となり。札幌龍谷学園高校の二連覇が確定したが、あっという間の
出来事であっけない瞬間だった。そして、試合は第二ゲームの結果待ち状態となったが、二番手
藤田・高塚も4−2で勝利し、スコア上は2−0であるが、実際は3−0の札幌龍谷学園高校の完勝
となった決勝戦であった。
第二ゲームまでが公式記録であるが、実際は3面同時スタートで三試合が行われ、事実上のスコアは3−0で龍谷が圧勝