平成21年2月22日をもって今シーズンの越冬は終了しました。


今シーズンの特徴







群れの主な行動

●12月11日現在
  ○新ひだか町静内豊畑地区で、マガン群れ約100羽を確認。

●12月13日現在
  ○新ひだか町静内Y地区で、今シーズン初めてマガン群れ約100羽を確認。

●12月28日現在
  ○Y地区でのマガン個体数109羽を確認。

●1月2日現在
  ○群れ個体数は昨日より7羽増え116羽。

●1月4日現在
  ○本日現在、暖冬で正午現在の気温はマイナスとなることはなく、プラスの0℃〜4℃と推移。まさに地球温暖化そのもの。
  ○今シーズンの群れは、行動に統率がとれており、一斉に隊列を組み採食地を移動することが多い。
  ○採食は、成鳥と幼鳥グループに分かれて採食することが多い。また、採食というより牧草の新芽を食いちぎって食べる、といった方が適切な表記。
  ○一日中移動しながらの採食であるが今年は移動ペースがなぜか早く、相当のスピードで歩行しながら採食する。特に早く歩行しなければならない
   理由が見当たらず分からない。一日、かならり距離を移動する。
  ○ねぐら入りのための飛び出し方向が、昨日は北方向で今日は西とまったく逆。というより、いつもの静内川中流域方向と二日連続して違う方向。
●1月5日現在
  ※本日現在、マガンが生息する可能性がある新ひだか町静内以外の生息環境を調査したが、結果は以下のとおり。
  @ウトナイ湖周辺の状況
   積雪は約10cm程度でそう多くはないが、採食には少し大変。ウトナイ湖は結構、開水面あり。以上の採食及びねぐら状況からマガン群れの生息は
   不可能ではないが最適とは言えないだろう。
  Aむかわ町の状況
   積雪は多く約20cm、鵡川は完璧に結氷しねぐらには不適。以上のことから、むかわ町で群れが生息を求めるのは本日現在では、無理と言える状況。
   今シーズンのむかわ町は積雪、気温とも低い。
  B新冠町の状況
   積雪はほとんどなく、また新冠川は珍しく結氷部分はなくすべて開水面。こんなことは珍しいが今シーズンは新ひだか町静内と同様に気温が高いと
   いう証。従って、越冬環境は新ひだか町静内と同じく最適。
  ○今日の飛び出し方向は3日と同様北の方角で結局、新冠町泊津方向へと向かい山越えしlost。
静内川に代わる新たなねぐらは新冠川中流域で間
   違いないと思われる。その場所も、午後5時以降、新冠川河口域から下流域を調査したが、手ごたえ無く、やはり静内川同様、中流域にねぐらを求
   めている確率が高く、時間はかかるがその内、場所も判明するだろう。

●1月8日現在
  平成21年1月1日より8日連続して快晴と、今年は好天が続き気温も連日プラスの日が続く。

●1月10日現在
  ○個体数は116羽 (成鳥83羽、幼鳥33羽)
  ○越冬14シーズンになるが、こんなに途中で水を飲むのは初めての現象。水溜り場には天然の地下水が湧いており、水質が優れているのがその理
   由と思われる。昨シーズンまでは水溜り場はなかった。

  ○採食の後一時間置きに水溜り場へと移動し、水を飲む。  
  ○水飲み場では、地形に沿い一列になり水を飲む。個体数は116羽で変化なし。なお、群れ中、成鳥は83羽、幼鳥33羽であった。
  ○水飲み場へは歩行してやって来るが、その後は飛翔し元に戻る個体も多い、            
  ○ここ数日、午前中はY地区で採食し、午後からはどこかへ移動し採食するが、その場所は現在のところ不明。          
              

●1月12日現在
  @新ひだか町以外の越冬環境
    ○新冠町全域〜積雪がないので採食は全く問題なし。新冠川も結氷は部分的にもなく、越冬環境は最高。
    ○日高町厚賀〜積雪が少なく採食は問題なし。厚別川も部分的に結氷はあるがねぐらには問題なし。
    ○日高町富川〜積雪は約5cm程度で採食は可能。沙流川も部分的に結氷はあるがねぐらには問題なし。
    ○むかわ町鵡川〜積雪は約20cmで採食は不可能。鵡川は完全結氷でねぐらへの利用不可能
    ※今シーズンは、新ひだか町静内より苫小牧方面へ行くに従い気温が低く寒い。また積雪量も多く、この時期、ウトナイ湖周辺での越冬は悪環境。
  A気温上昇
   ○毎年、1月も10日を過ぎると太陽の日差しが強く暖かくなるが、今日は天候が良く気温も3℃まで上昇。
  Bキタキツネ
   ○気温も高く、しかも無風で穏やかな気象条件であったため、午後2時頃から2度にに分けて約35分間、上空を飛翔。そろそろ渡りの準備練習か、
    というには早過ぎるが、どうやら真相はキタキツネのようで、最近、キツネが現れると上空へと舞い上がるケースが多い。

●1月15日現在
  ○昨日まで14日間、温暖な気候が続いたが、今日は一転し今年一番の冷えとなり、路面も1日凍結していた。
  ○群れは午前からY地区で採食し、午後3時頃になると新冠町方向へと飛んで行きlost。また、ねぐらも最近は静内川は使用せず、確認はされていな
    いが
新冠川中流域を使用していると思われる。
  ○ここ数年の群れ行動と比較し大きな変化はないが、新たな採食場所、ねぐらを早いうちに解明する必要があるが、1〜2人での調査と観察では簡単
    にはいかない。しかし、その内、判明されるであろう。
 
●1月18日現在
  ○なんと、新冠町A地区の牧草地でオオハクチョウ117羽に交じってヒシクイ1羽(幼鳥)、マガン2羽(幼鳥)の計3羽が採食しているのを初確認。今シ  
   ーズン、新冠町で越冬していたのは間違いなく、新ひだか町静内で越冬するのとは別の小群が新冠町で越冬していたとはびっくり。今日はカメラを
   持ち合わせていなかったので撮れなかったが、近いうちに写真に収めたい。

●1月20日現在
  ○この日から、新ひだか町静内越冬組116羽に、新冠町で越冬していたマガン2羽・ヒシクイ計3羽、合計の群れ119羽(マガ118羽・ヒシクイ1羽)が
    オオハクチョウ約120羽の群れと一緒に新冠町A地区で越冬開始。ねぐらは泥火山方向までは確認できているが詳細不明。

●1月23日日現在
  ○正午の気温6℃と春が来たような暖気襲来、昨日から二日連続の雨。気温が一月中にプラスの6℃とは信じられない暖かさで全道各地で観測史1
   月の最高気温を更新する箇所が続出。
  ○新冠町A地区では、マガン42羽しか確認できず
             
●1月24日現在
  ○新冠町A地区では、マガン3羽(幼鳥2・成鳥1)・ヒシクイ幼鳥1羽の計4羽。何とマガン成鳥1羽が加わった。しかし、本隊の群れは確認できず。
  ○新冠町、大富、万世、明和、新栄、泉、若園、古岸、緑丘、朝日、高江、西泊津、東泊津と新冠町内でマガンを確認するべく120kmの行程をマガン
    調査。しかし、マガンは確認できず。
  ○新冠川河口域、メロディー大橋近くの右岸でマガン3羽・ヒシクイ1羽が泳いでいるのを確認。結局、マガン3羽・ヒシクイ1羽はここをねぐらとした。
  ○ウトナイ湖でマガン10羽が飛翔するのを確認。現在、新冠町で越冬している個体と思われる。

●1月25日現在
  ○新冠町A地区にマガン本隊114羽が3日ぶりに姿を現す。ウトナイ湖方面も新ひだか町静内・新冠町同様に約10cm程度の降雪があり、採食条件
    が悪化したため新冠町へと舞い戻ったと思われる。

●1月29日現在

  ○1月は、暖冬であったが、27日日中から28日の朝方まで冷え込んだ。特に28日は午前零時で−10℃、3時−10℃、6時で−11℃と今冬初めて
    −10℃以下を記録した。
マガンは26日に従来の116羽に戻ったものの、当初、ここで越冬していたマガン2羽・ヒシクイ1羽は最近、確認できてい
   ない。なお、本隊は1月18日以来、新ひだか町静内より新冠町に移動し越冬を続けており、しばらくはこの状態が続くと思われる。


●1月31日現在
  ○今シーズン、静内川以外のねぐらが確認されておらず。そのねぐらをつきとめるため新冠川河口域近辺を調査。マガンのねぐらに適した中洲状態の
    場所は新冠判官館前のメロディー大橋手前の中洲以外なし判断。
  ○午後4時30分よりメロディー大橋でマガン群れを待機。オオハクチョウが次々と飛来し河口域へと降りるがマガンは確認できず。
  ○午後5時10分、マガン群れがメロディー大橋上空を通過。そのまま川沿いに飛翔し太平洋岸手前から右折しlost。今日のところねぐらは確定できず。

   
●2月1日現在
  ○ 6:55〜新冠町A地区でマガンを確認。どの方向からやって来たのかは不明。
  ○16:20〜この時間から18:00まで、新冠川河口域、メロディー大橋でマガンのねぐら入りを待機するが確認できず。
  ○16:30〜この時間から17:55まで、日高町厚別川河口域ででねぐら入りを待機するが、確認できず。
  ○この日、早朝6:20から夕方
18:00まで、新冠町及び日高町のねぐら候補地で観察するが、ねぐらを確認できず。今シーズン、どうやらその日に
    よりねぐらを替
えているようだ。今日は朝晩は−7℃と気温が下がり、風も強く日中も寒い。

●2月3日現在
  ○マガンがねぐへと飛び立つが、今日は真っ直ぐ静内地区方向へと向け、飛び立つ。間違いなくねぐらは静内川中流域。推測であるが、2月2日は厚
   別川河口域、2月3日は静内川と珍しくねぐらを変えた。


●2月7日現在
 ○新冠川河口域の日高判官館青年の家前、国道235号線橋下、JR日高線鉄橋下の計3箇所の中州を調査するが、マガンがねぐらとして使用した形
   跡はなかった。また、各所とも思ったより遠浅で水深は浅かった。これにより今シーズン新冠川でのねぐら使用は、ほぼなかったと結論づけられた。
 ○
新冠川河口域、メロディー大橋上空をマガン群れが通過。さらに日高判官館上空を通過し西方向へと飛び去る。ねぐらの最有力候補地である日高町
   厚別川河口域へと向かったと思われる。

 ○2月に入り、今朝方までは気温が下がり、今日も午前6時には−11℃となり静内川河口域も珍しく薄氷が張るなど、連日寒い日が続いたが日中は暖
   かかった。


●2月8日現在
 ○新冠町A地区へのマガン到着が午前7時19分と、本来の採食地への到着時間より約1時間程度遅くなった理由は何か。ねぐらからの距離が遠い。
   午前6時30分以降は吹雪だったので遅れたなどの理由が考えられるが真相は?。
 ○正午頃、群れは盛んに上空へと飛び上がるなど、2月特有の飛翔時間が長くなってきた。

●2月11日現在
 9日〜10日とねぐらは静内川と思われる。理由は、ここ数日、朝方の気温低下により厚別川が完全結氷しねぐらとして不適地となったため。ねぐら場
  所が結氷すれば当然移動する。しかし、本日のねぐらは予想に反して厚別川。午後5時30分、河口域、中流域とも一部に開水面があり、ねぐらとして
  ぎりぎりながら使用可能な状態。
 ○ここ一週間のねぐらは日替わり状態で変化している。
 ○飛翔時間も多くなるが、マガンのテンションも次第に上がってゆき、今日あたりはいつも喧嘩が絶えなかった。
 ○新冠町大狩部地区で午前9時〜午後5時22分のねぐら入りまで群れを確認。牧草の色は茶色で新冠町A地区の牧草と比較すれば雲泥の差がある
  と思われるが…。
 ○大狩部での採食を確認したのは過去になく初めてであるが、当分続くような気がする。
新ひだか町静内からは18kmの距離で、年々、新ひだか町静
   内からマガンの生息場所が遠ざかる一方で、今後の観察が思いやられる。

 ○いよいよ、2月に入り群れ行動もアクティブになってきた。これからは一定の場所に落ち着かなく、群れを探すのに苦労すると思われる。
 ○本日、 青森県上北郡七戸町の日本雁を保護する会員が、10時42分に青森県六ヶ所村上空(六ヶ所村むつ小川原港)を北上していくマガン210±
   羽を確認。海岸線に沿って北上して行ったので北海道へ向かったと思われる。ウトナイ湖で昼過ぎにウトナイ湖上空で対岸付近を飛ぶ2群れ計80羽
   程を確認したとのこと。また、群れは西の方から飛来しウトナイ湖には下りずに鵡川方面に飛び去ったそうだが、どうやら青森で確認された群れと思われ、今シー
   ズン北上、
第一団に間違いなし。


●2月15日現在
 ○2月13日、新冠町・大狩部牧場でマガン群れを5羽を確認。また、この時刻と同様の時間帯、日高町富川の沙流川にかかる橋付近で、ウトナイ湖
  方向へと向かうマガン群れを確認したとの情報有り。群れはウトナイ湖近辺へと向かったと思われる。
 ○13:35〜新冠町泥火山上空で約20羽数。13:45〜新冠町節婦上空で27羽。14:16〜日高町厚賀町上空で39羽をそれぞれ、海岸線に向かい
   ウトナイ湖方面へと飛翔するマガンの群れを、僅か45分間で3群確認。本格的に本州からの移動が始まったようだ
 ○昨日(14日)も、4月上旬の暖気が北海道に襲来大変暖かな日が続いている。
 ○今シーズンは2月13日の5羽が最終確認となる可能性があるが、明日からは久々に寒気となるので、それによりリターンするかどうか興味深い。
              
●2月18日現在
  ○2月16日以降、日中でも−1〜4℃、最低気温が-7℃〜-9℃と、今冬一番の寒さとなる。
  ○厚別川は、河口域では結構の開水面がみられるものの、厚別橋付近は大半が結氷し開水面は僅か。しかし、中州には積雪がないため、ぎりぎり
   使用可能と思われるが、明日からは全面結氷の可能性もある。
  ○新冠町のA地区、大狩部牧場付近をを調査するが、オオハクチョウ、マガンは見当たらず。このまま今シーズン越冬が終了する確率が高い。

●2月21日現在  
 ○2月21日午前10時30分、何と大狩部牧場、牧草地でマガン1羽・ヒシクイ1羽の計2羽を確認。今シーズン、新冠町で越冬していた2羽で、なん
  今頃、それも3羽〜4羽ではなく2羽なのかが分からない。

 
●2月22日現在
 ○2月21〜22日と全国的に発達した低気圧の通過で全国的に大荒れの天候。22日は吹雪となり新ひだか町静内、新冠町などではこの時期にして
  15cmの積雪となるが地元まの方がマガン10羽を大狩部で確認、結局、これが今シーズン最後の越冬確認となる。
 ○1月中〜下旬は暖気で温かったが、2月に入ってから、日中は比較的暖かいが、連日、朝方は−6℃〜−11℃程度と気温が下がる日が続く。静内
  川、新冠川以外はこの時期でも結構結氷している。

●3月3日現在
 ○新冠町大狩部牧場上空は、連日、マガン・ヒシクイなどが数十羽単位で編隊を組んで飛んでくるようだ。

 ○ウトナイ湖でも、3月1日、沼は一面氷が張っているものの、氷上に群れが降りたようで、個体数はヒシクイ72羽、マガンが2羽。当然、本州からの
  移動組。今シーズンは暖冬で例年より開氷が早まることが予想され、それに伴ってガンたちの渡りのピークも1週間ほど早くなるとの予想。早くも数
  千羽の個体数となっている。
 ※ということで、今シーズン新ひだか町静内、新冠町で越冬したマガン群れを識別するのが困難な状況下となり、今シーズンの観察を終了。なお、何か
   特別な情報、そして動きがあればアップする。

●3月4日現在
 ○千歳在住の先田さんからの情報では、厚真町でマガン多数とヒシクイ300羽を確認したとのこと。今シーズン、ウトナイ湖は史上最多の積雪です。
   どこにいるのか興味深いのですが、千歳市も相当の降雪があったので、後はむかわ町と思われます。また、千歳市長都沼ではサカツラガンも確認
  されたとのことです。時間があれば飛んで行きたいのですが、仕事で来月までは無理、残念。

●3月8日現在
 ○今シーズン。新ひだか町静内での越冬は終了したと思われるが、本日、新ひだか町静内で本州からの国内移動組を三組確認。現在、国内移動の
   真っ際中。
 @ 8:53〜マガン6羽がウトナイ湖がある西へ向う途中、新ひだか町静内田原地区を通過。
 A 9:15〜新ひだか町静内田原地区でマガン3羽・ヒシクイ5羽の計8羽が北方向より飛来し、オオハクチョウ43羽と一緒に牧草地で採食。
 B12:57〜新ひだか町静内春立地区で、マガンと思われる約80羽の群れが西方向へと移動するのを確認。本日の気象条件、風向・西、風速5の強
         い向かい風。マガン速度は時速60km、この後、静内市街地まで追跡。海岸線に沿い飛翔するが、浦和地区から内陸へと入り、市街地
         上空、Y地区上空を通過しロスト。


 
新ひだか町静内田原地区で採食するマガンと・ヒシクイ

●3月21日現在
 ○最近、オオハクチョウが国内移動のため新ひだか町静内上空を通過する姿を見かけることが多い。コース的には海岸線ほウトナイ湖方面へと飛翔
  する群れや、日高山脈に向けて飛翔する群れもある。
 ○下の写真は午後1時22分、新ひだか町静内入船町を通過するオオハクチョウ5羽で、この後、静内川河口域へと向かい着水した。