2008(平成20年)・秋


十勝にハクガン24羽舞う

 10月18日、午11時47分、三日月沼周辺で


 11月1日、午後3時17分、北西方向へと飛翔するハクガン24羽


 
夕陽に染まる十勝平野、マガン、ヒシクイが最後の夕食タイム


 
オオヒシクイ、ヒシクイはシーズン後半で個体数が少なかった






 10月18日、11月1日の二日間、十勝平野(浦幌町)運んだ。数年前までは十勝行き
の目的はオオヒシクイ標識鳥で赤、黄、白、緑の色とりどりで様々な英数字記号を判読し、
楽しみにがらもルートの解明少しばかりの貢献もあり、行くのが待ち遠しかった。しかし、
中には極端に脱色したものや英数字も難解な並型があり、解明するのに一苦労したもの
もあった。
  しかし、近年は標識を付ける個体数が減っているため、結局、新しいものは増えず、過
去に装着した個体だけとなり、実際、1羽も確認できないことも普通で、発見できても数羽
程度というのがし実態である。ある程度のルート解明も確証が得られ、標識鳥の意味も
希薄となった今日、状況的には理解できるが、正直に言うと沢山見られた頃を振り返ると
今となっては懐かしく、また寂しい。
  今回もご多分に漏れず、標識をつけたオオヒシクイ、ヒシクイ、マガンなどは残念ながら
11月1日、青い標識を装着したマガン一羽を確認したが、記号までは判読できなかった。
 今シーズン、冬鳥の移動パターンが例年になく早いと思われ、個体数が多い時に普通
に目にする上空を飛び交うガンは殆どいなく、結果的にはオオヒシクイ、ヒシクイ、マガン
共に個体数は少なくこちらも寂しい結果となった。そうなれば、せっかく片道180kmもか
け車で日高から十勝へときたので、何らかの収穫が欲しいところであるが、幸いハクガン
の群れを10月18日に21羽、11月1日には24羽を発見出来たので嬉しかった。
 また、オオヒシクイ、ヒシクイ、マガンなどのガン類の数は想定していた個体数より少なか
った。1997年(平成9年)秋から観察、今年で11シーズン目となるが、観察当初と比較し、
個体数が減少している。

 これは、十勝を経由する数が減っているのか。それとも個体数そのものが減っているの
か。たまたま、観察に出掛けた日が時期的にピークではないのか、また、個体数そのもの
が減少しているのかは明確ではないが、観察時の個体数減は間違いない。


           


観察印象


 浦幌十勝川で羽を休めていたオオヒシクイ、オオハクチョウ



<10月18日> 

 ●豊頃町〜○大沼に約1000羽程度のオオヒシクイを主とするヒシクイがいたが、牧草地には1羽もいなかった。
         沼ではヒシの実を採食していたと思われ、その後、突然、上空へと舞い上がり周辺の牧場へと飛散
         した。
        ○飛散後、下幌岡地区・農管休施設横の牧草地に大半が移動した。
 ●浦幌町〜○三日月沼及び周辺にガン類群れが集中し生息。
        ○いつもは確認することが出来る三日月沼以外の豊北地区、朝日地区、養老地区などでも確認でき
         なかった。

<11月1日>

 ●浦幌町〜○前回、豊頃町では大きな収穫がなかったので、今回は、浦幌町にテーマを絞って観察した。オオヒ
          シクイ(マガン)標識鳥は青い標識鳥を1羽確認できたものの、記号の識別までは至らなかった。

         ハクガンは、前回観察時の10月18日は21羽(幼鳥1羽・成鳥20羽)であったが、今回の11月1日
          現在は24羽と、この2週間で成鳥3羽が増えていた。

         昨年の観察時、平成19年11月4日現在では24羽であったが、今秋、宮城県でハクガン2羽が確認
         されており、合計すると26羽となり、昨シーズンより2羽多くなる。

         ○三日月沼及び豊北地区・トイトッキ沼周辺にガン類群れが集中し生息していたが、渡りでも春と違い
         秋は、浦幌町でも今回は、大半が南に位置する豊北地区に多いが、本州がある南方向へと移動して
         いる感がする。

        ○個体数は、意外とマガンが多く含まれているが、10月18日より減少しており、合わせて1000羽程
         度と思われる。