十勝地方に5羽のハクガン
三日月沼付近の牧草地でハクガンを確認。物凄い強風でカメラがブレ、撮影するのに手間がかかった
一羽は成鳥であるが、残りの四羽は成鳥、幼鳥は区別つかず (左端が成鳥)
豊頃町でようやく本日一番の群れを発見。大半がマガン
前の写真と同様、場所は豊頃町幌岡
広大な黒土の大地上をマガンが飛んで行く。いかにも十勝らしい光景
数百羽のマガンを発見。これも豊頃町幌岡
左中央部に左足を切断状態のオオヒシクイ。右足でホッピングしながら移動、採食をしていた
この時期、今回はシーズン終盤で、お目当てのオオヒシクイは少なく、がっかり
●4月21日(日) 晴れ時々曇り 10:15〜17:00
半年振りの十勝平野を訪れた。天候は春独特の冷たい風が吹くものの晴れと曇りでまずまず。
今回もお目当てはいつものようにオオヒシクイ標識鳥であるが、今シーズン、冬鳥の移動パタ
ーンが例年になく早いという状況をそのまま物語る結果となり、大空を埋め尽くすシーンも見
られず、標識をつけたオオヒシクイ、ヒシクイ、マガンなどは残念ながら一羽も確認すること
が出来なく、シーズン的には既に終了した後だった。
今回の鳥相は、会いたかったオオヒシクイ、ヒシクイの姿は殆どなく、マガンが約1,100羽を
確認。そのマガンもいつになく丸々と太っており、渡りを間近に控え体内に栄養を蓄えている
のが良く分かった。意外にもこの時期に昨秋、確認出来た4羽と同一個体と思われるハクガン
5羽を確認できたのは幸運だった。(その内、1羽は前回未確認)
また、今回、ガン類を確認出来たのは浦幌町・三日月沼、豊頃町・大沼と、いずれも沼であ
り、個体種別もマガンがほとんどであった。
※観察地〜浦幌町全域、豊頃町全域
※確認した標識鳥〜確認したマガン、ヒシクイ、オオヒシクイの中には標識鳥は確認できず。
※希少種〜ハクガン5羽。このハクガンは、個体数が5羽と昨年11月3〜4日に浦幌町で確認
した4羽ともう一羽の5羽と同数なことから、同一個体と思われる。
10:15〜三日月沼に到着。沼には約200羽のマガンが密集。珍しくタンチョウ二羽が沼畔
で確認。タンチョウ自体はこの地域では特段、珍しくはないが、三日月沼周辺で
は初めて確認。お目当てのオオヒシクイは僅かに10羽前後で失望。その中に
ハクガン5羽を確するが、不用意に近づいたため群れ群れ全体が一斉に大空へ
と飛散、不覚の行動を反省。
10:28〜先程の群れが帰ってきて、沼に着水。ハクガンも同様に着水し安堵。成鳥、幼
鳥を確認するも、それぞれ一羽ずつ確定できるものの他の3羽は距離があるこ
ともあり判明できず。三日月沼、国道側の牧草地にはいつになく新旧のガン類
の糞が多数散乱し、採食した形跡が残っている。この時間の気温10度と低く肌
寒い。
11:00〜三日月沼に約500羽のマガン群れが北西方向から飛来し着水。
11:35〜盛んにそれぞれが鳴き交わし、沼全体がマガンの飛来により活気づく。この時
間の個体種別等は、マガン700羽、ヒシクイ50羽、オオヒシクイ10羽、ハクガン
5羽、ミコアイサ1羽(オス)、タンチョウ2羽、コサギ3羽、オオハクチョウ
6羽を確認。
12:10〜この時間まで浦幌町豊北、共栄、吉野、養老、愛牛地区。豊頃町、幌岡地区、
幌岡9号線近くのいつものトウキビ畑を確認するが、一羽も確認できず。オオ
ヒシクイがいるような雰囲気を感ずることが出来ず。
12:20〜豊頃町大沼へ到着。沼上に200羽程度のマガンを確認。距離は離れているのに人
影だけで多くのマガンが上空へ。よく見ると大沼周辺の牧草地に数百単位のマ
ガン群れを確認。
14:10〜再び、大沼で観察開始。沼上には約300羽のマガンを確認。沼岸には大量のマコ
モが群生しており、ハクチョウにとって最高の採食環境となっている。
14:20〜十勝川堤防に上がり群れ全体を確認する。視界の範囲内で鹿取宅横牧草地でマ
ガン815羽を確認。大沼上にも浮かんでいる個体と併せマガン個体数約1,100羽
を確認。この時間の気温14度と上昇。残念ながら標識鳥は一羽も確認できず。
15:45〜菊池利憲牧場横(浦幌十勝川導水路)の牧草地でようやくオオヒシクイ群れと
遭遇。個体数はマガンも少々混じっているが360羽。
しかし、その中に左足のない個体が一羽発見。第一関節あたりから欠損してお
り、何かの事故で損失したものと思われる。当然、歩行時はホッピングをしな
がら移動し、不自由な様子が伺われるが採食には支障があるまではいかず。
16:10〜帰路、三日月沼横の和田牧場牧草地で採食中のマガン200羽を確認。また、そ
こから少し外れた所でハクガン5羽を再び確認。今日はハクガンに縁があり、
行く場所でラッキーなことに巡り合える。しかし、物凄い強風でプロミナー、
望遠レンズは使用するのに困難を要する。よく観察するとハクガン5羽の中の
成長1羽だけが、あまり採食をせずに絶えず辺りを見回しており、常に警戒し
ていることが分かる。しかし、残りのハクガンは1羽の幼鳥を除き、成鳥、幼
鳥の区別はつかず
17:00〜今日の観察を終了し静内への帰路につく。