●伊藤・高塚み C−3 佐々木・小沼
3 − D
1 − C
4 − E
H − 7
F − 5
C − 1
H − 7
まさに死闘という表現がぴったりの好ゲーム。佐々木・小沼がするすると3ゲームを奪取し、大方の予
想に反しワンサイドゲームになると思われたが、伊藤・高塚が第4ゲームから猛然と反撃し息の抜けない
展開となった。
第一ゲーム、0−2から佐々木のストロークが決まりだし7−5で取ると後は、小沼もここ数カ月で技術
的にも精神的にも成長したプレーを随所に見せ、安定したコンビと試合運びで伊藤ペアを寄せ付けなか
った。
しかし、第4ゲームに入ると勝ちを意識したのか佐々木のストロークが安定度に欠け、更に小沼も思い
切りがなくなる。反対に伊藤、得意のスピードボール、高塚みなみの確実なボレーが決まり出し始め、今
度は伊藤・高塚がセットを連取したいブレークに。
最終第7ゲームも伊藤ペアが6−3とマッチを握るが、佐々木も体育館壁に激突しながらレシーブを返
すなど執念で7−7と全くの互角の勝負となったが、最後は伊藤、高塚が先輩の意地で二ポイントを連
取し熱戦に区幕を引いた。
しかし、佐々木の定評ある強烈なシュートは威力十分で相手を十二分に苦しめた。また、この日の伊藤
の球も走っており、後衛同士の迫力あるストローク合戦。そしてシャープな前衛・高塚の持ち味、成長した
小沼のプレーと見応えのある戦いぶりでどっちが勝ってもおかしくないナイスゲームであった。
●谷岡・渡辺 C−0 伊藤・武田
D − 3
C − 0
C − 2
E − 4
今日の谷岡は、一週間前からの体調が良くなくコンディション的には最悪。一方の渡辺も同様でピリッと
せず。この試合も双方にミスが目立つなど、勝つには勝ったものの褒められた内容ではなく、パッとしない
ゲーム。この時点では、本当に先が思いやられた試合。
●谷岡・渡辺 C−1 伊藤・高塚
C − 2
G − 6
C − 2
4 − E
C − 1
谷岡の体調が完全ではなく、ペアのコンビネーションも良くない。反対に伊藤の調子は悪くない、高塚も
相変わらずに淡々とミスの少ないプレーを続けている。この日、試合前に谷岡・渡辺が勝てる要素は何一
つないと誰もが予想したし、事実、大会前に練習を休んでいたことも知っていたので今回は私も諦めてい
た。しかし、勝負というのは、やってみないと分からないものだ。
調子の出なかった筈の谷岡が試合前の乱打から気合が入ってガンガン打っている、というより怒ってい
る。準決勝、伊藤・高塚VS佐々木・小沼の試合を見て目覚めてしまったのか、持ち前の負けん気が顔を
出し、渡辺とのコンビも不思議なことに、そこそこに合ってきた。
試合は、谷岡が人が変わったようにストロークが安定しビシバシ打つ、渡辺も悪いときの無駄の多い動
きがなくなり、堅実にボレーを決めだした。対する伊藤、高塚はというと、これまでミスが少なかったのが別
人のように凡ミスを連発し始める。
第一ゲーム、0−2とリードされたが、谷岡のクロスが決まってからは2−2、3−2、4−2と4ポイントを
連取。
第二ゲームは接戦となった。2−2、2−3、3−3、3−4、4−4、4−5、5−5の後、渡辺のボレーが決
まり6−5。しかし6−6となった後、二ポイント奪取で8−6、際どいゲームを取る。
第三ゲーム、1−1、2−2、3−2の後、切れのある谷岡のシュートがストレートに決まり4−2。
第四ゲーム、0−2、2−2、2−3、3−3、3−4、4−4と競った後、4−5、4−6、伊藤のスピードある
シュートボールが二本続けて決まった。
第五ゲーム、1−1、2−1、3−1、最後は谷岡のストレートが決まり4−1でゲームセット。
まとめると、谷岡のストロークが球質、コースとも非常に厳しいため、伊藤、高塚がレシーブミス或いは苦し
紛れに返すレシーブを渡辺がスマッシュ、ボレーでたたくという試合パターンとなった。
話し声一つ聞こえない緊迫感あふれる会場で、点差は開いたものの、迫力があり高校界、国内トップクラ
スレベルの高いゲームは、引き締まったもので決勝戦に相応しかった。
今春、選抜大会ではいいところがなかった谷岡も徐々に調子を上げており、伊藤、佐々木の強力な後衛
陣と高塚、渡辺、小沼(谷本)の前衛陣の三本揃ったペアを見る限り、夏の高校総体での活躍は揺るぎな
いものとの印象を強く感じた。
○優 勝
谷岡・渡辺 (札幌龍谷学園高校)
○2 位
伊藤・高塚 (札幌龍谷学園高校)
○3 位
佐々木・小沼 (札幌龍谷学園高校)
伊藤・武田 (とわの森三愛)