第31回全国中学校ソフトテニス大会




 
   惜しくも2年連続 第三位

  第31回全国中学校ソフトテニス大会は、平成12年8月21日〜23日、福岡県福岡市・博多
の森テニス場を会場に開催された。このコートは、かってアジア
大会の会場としても使用され、屋
外競技コート15面、屋内コート4面と素晴らしい設備のセンターコート1面の計20コートが整備
されている。今回、北海道チームは、男子、女子共静内第三中学校のアベック出場となったが、
中でも女子は四年連続出場を果たしたばかりでなく、2年連続で三位入賞の偉業を達成した。

  今大会、女子の優勝候補は3ペアが揃っている埼玉県芝東中学校、強烈なストロークが自慢
の佐賀県・嬉野中学校、高校生レベルといわれた高橋・小泉ペアを率いる東京都羽村第二中学
校、春の選抜で優勝している静内第三中学校あたりが軸となり争うと見られていたが、結果は静
内第三中学校は、準決勝で優勝した埼玉県芝東中学校と対戦。三試合の全てがファイナルゲー
と歴史に残る大接戦となったが、ここで惜しくも敗退した。

 二位は、エース浅倉・川原を擁する石川県能登中学校で、男子の静内第三中学校はダークホ
ースと見られていたが、一回戦で九州・佐賀県の塩田中学校に1−2で敗れた。優勝は創部僅か
に三年目の千葉県大栄中学校が勝ち取った。





北海道代表選手


 静内第三中学校・女子 左から三宅、谷岡、佐々木、高塚み、渡辺、藤田、小池、高塚さ


静内第三中学校・男子 左から吉本、冬沢、酒井、伊藤、野田、小池、松橋、蔭





団体戦

<一回戦>
 ●静内第三中学校 B−0 木本中学校(三重県)
  
    ○渡辺・高塚さ C−0 古田・河上
    ○藤田・小池  C−1 崎久保・森岡
    ○谷岡・高塚み C−3 倉本・松本


<準々決勝
 
●静内第三中学校 A−0 就実中学校(岡山県)
    ○渡辺・高塚さ C−2 白神・小野  
     第一試合は、大将渡辺・高塚が順当にポイントを重ね2−0とリードするが、就実中が
     ダブル後衛の
白神・小野がここで巻き返し2−2のオールにしたものの再び渡辺・高
     塚が地力
で挽回し就実を突き放す。
 
    ○藤田・小池  C−1 村上・大庭

  
   第二試合は、藤田・小池が強打で相手を上回り危なげなく勝利する。
 


<準決勝
 
静内第三中学校 1−A芝東中学校(埼玉県)
    ○渡辺・高塚さ C−3 佐藤・工藤
     大将同士、静内第三中は渡辺・高塚、芝東は佐藤・工藤の戦い。佐藤のフォア、工藤の
      ボレーでポイントを稼ぐも、渡辺はこの試合も粘り強くロブ中心のストロークと高塚の効果
      的なスマッシュでガツプ四つ互角の戦いが続くも、最後はミスのない渡辺の粘り勝ちで、
      貴重な第一ゲームをものにする。
  
   ○藤田・小池  3−C 澤辺・高橋  
     常に藤田・小池がリードする試合展開。静内は小池の非力を藤田の強打で補い、芝東は
     澤辺の左右の打ち分けとツイスト、高橋の長身を生かしたボレーで対抗。ゲームスコアか
     らの3−3のファイナルも5−3で藤田ペアがリードし、静内第三中学校の勝利まで後2ポ
     イントというところで、澤辺捨て身のツイストが度々決まり、結局、第三中学校はつめの甘
     さで惜しくも敗退。
 
   ○谷岡・高塚み 3−C 河原・中尾
    
1−1の後、静内第三中学校は後衛としてはチーム一のシュート力を持ち二番手の力を
     持つ谷岡・高塚
を投入、全てをこの2年生ペアに託す。北海道内での試合もそうであった
     ように、このチーム編成になつてからは、エース渡辺・高塚が必ず勝ち、二番手の藤田・
     小池が負けても必ず、谷岡・高塚が勝ってここまで上がって来たチーム。
     試合展開は、一進一退を続けながらも谷岡ペアが常に先行しリード、第五ゲームを終了し
     た時点でも3−2。さあ、後一ポイントとするもここから、河原が落ちついてポイントを重ね、
     ファイルゲームへともつれ込み、最後は畳み掛けるような河原のシュートが何本か決まり
     ゲームセット。

     静内第三中学校、後一歩のところで金星を逃がすが、三試合全てがファイナルゲームと
     いう接戦で、この試合がこの大会の事実上の決勝戦と言われた好ゲームであった。



 エピソード

 その1

  
 この準決勝、芝東中学校は優勝したものの選手は満身創痍の状態であった。まず、
  エースペアの佐藤・工藤の内、工藤は故障が直りきらないでの出場で、二番手の前
  衛・高橋も個人戦、準々決勝で軽い肉離れを起こしている。
   更に静内第三中学校、渡辺・高塚との準決勝戦、死闘の後、一番手・佐藤は過呼
  吸を起こし、救急車で運ばれ、プレー続行が危ぶまれたほどであったが、チームの
  結束と一人ひとりの精神力の強さで見事、優勝を勝ち取った。そして、翌年の山口全
  中でも優勝し、二連覇を飾ることとなる。

 
その2
  
 平成15年現在、立志館広島で田畑とペアを組みエースとして活躍中の加藤姿絵は、
  この福岡全中で札苗中学校の藤木とペアを組み個人戦で出場したが、三回戦で芝東
  中のエース佐藤・工藤と当たってしまい負けてしまつたが、大会前から北海道に素晴
  らしい前衛がいるという評判があり、ここでも一見、目立たない存在に見えるが、その
  道の各高等学校関係者の間では、注目された選手の一人であった。

 その3 
  
 その田畑は、石川県の出身でそこそこ注目を浴びていたが、石川県内灘中・上前と
  のペアで準々決勝まで進出をしたものの、今大会で準優勝をした同じ石川県能登中
  浅倉・川原に2−4で敗れた。この大会では浅倉の方が力は上で、弾足の速く素晴ら
  しいボールとストロークは数いる後衛の中でも群を抜いており、高校選手並みのシュ
  ート力、スピードボールは強烈に印象に残っている。








 
センターコートでの表彰式、賞状を受け取る渡辺キャプテン。後ろは同じく三位の佐賀県・嬉野中


 
男子優勝は、実力のある三本を揃えた千葉県大栄中学校