今シーズンの特徴



●12月5日現在
 
 ○ウトナイ湖サンクチュアリの調査では、今シーズン冷え込みが厳しく、12月1日には湖の約8割が結氷、しかし、美々川河口周辺
    に、,1,000羽前後のマガンと、若干のヒシクイが残留していたのですが3日から4日にかけ、一晩で20p程の積雪があり、この時
    点でヒシクイは全ていなくなった。マガンもこの日の確認で最後の確認。

  ○ねぐらとするウトナイ湖の水面は、それなりの広さが保たれているが、千歳方面の採餌場所が、大雪で使えなくなったのが、移動
    の大きな要因と思われる。

  ○過去、マガン越冬シーズンで12月5日現在でマガンがいなくなってのは初めて。

●12月10日現在
  ○鵡川河口で少なくとも8羽のマガンを確認したとの情報有。

●12月8日現在
  ○午前、数百羽のマガンを日高自動車道入口畑で確認したとの情報有。観察者は、新ひだか町静内で10年以上、マガン観察に携わ
    っている方なのでの情報の確さには全く問題なし。
,
●12月17日現在
  ○午後、日高自動車道入口畑で15羽のマガンを確認。それ以外の大きなマガン群れは確認できず。
  ○鵡川河口域でねぐら入りマガン15羽を確認するが、マガン大きな群れは確認できず。

 殆ど結氷した鵡川河口域中央で確認できるのはオオハクチョウ 、マガン15羽もいたが警戒して飛び去った(16時34分)

●12月20日現在
  ○むかわ町全域で調査するが、マガンは確認できず。

●12月21日現在
  ○午後、美々川河口域付近でマガンねぐら入りを待機するが、確認できず。

●12月22日現在
  ○日高町厚賀町、厚別川付近を調査するが、マガンは確認できず。

●12月24日現在
  ○美々川河口域、半径250m程度の範囲で解氷(開氷)、1227分から1645分までの観察で、ガン類の塒入り等は確認できず。
    ウトナイ周辺は積雪1520cmで採食は困難。
  ○ガン類は、ヒシクイ1羽のみ確認。

●12月31日現在
  ○この日まで、新ひだか町静内町内でマガン動向を調査するが、11〜12月では確認することはできず。
 
<12月まとめ>
  ○12月5日以降、マガンの大きな群れがウトナイ湖から姿を消しているが、このような事象は過去になし。越冬終了の原因は、15〜
   20p程度の積雪とウトナイ湖の結氷。
  ○むかわ町は、8日に数百羽、17日に15羽を確認したが、20日以後は確認できず。
  ○新ひだか町静内では、一度もマガンを確認できず。厚賀町付近、新冠町でも姿なし。
  ○12月は上旬から寒く、積雪も29日に10p程度の降雪があり採食環境は不良となる。静内川河口域は未結氷。
  ○伊達市も今シーズンは70〜80羽で、こちらへと移動した形跡もなし。さて、どこへ消えたか?。全く予測付かず。  

≪2012≫
●1月2日現在
  ○昨春にねぐら使用の新冠町朝日、新冠川河川敷で、午後4時からねぐら入り待機するが、マガンは入らず。                                       
                                            
●1月5日現在
  日高管内、ウトナイ湖の調査結果は、ウトナイ湖周辺は越冬不適。日高管内は越冬には、劣悪環境であるがぎりぎり越冬可能。
  ○静内地区〜Y地区では確認できず。静内川河口域では未結氷、しかし静内地区は積雪は10〜15pとあり採食環境不良
  ○新冠町〜新冠川河口域周辺は、今シーズン、海岸河口域から朝日地区までの間、年前から通して結氷はなく、ねぐらとしての
    使用は好環境。 しかし、積雪は新ひだか町静内同様10〜15pとあり、採食環境としては不良。
  ○日高町〜厚別川は、河口域に僅かに開水面があるもののそれ以外は使用不能。周辺の採食環境も不良。
          清畠地区、豊郷地区は積雪が少なく採食環境は他地域と比較すると良。しかし、ねぐら候補地はなし。
  ○むかわ町〜鵡川は完全結氷。積雪も静内同様10〜15pあり、採食環境は不良。
  ○ウトナイ湖〜ほぼ完全結氷。周辺の積雪も日高地区より多く、越冬環境不良で、日高地区より越冬環境は劣悪で越冬不適。

 

 
 ウトナイ湖では、ほぼ全面結氷。鳥類は1羽も確認できず、寂しい光景であった
(13:43撮影)

●1月6日現在
 
※昨日まで、観察結果からの考証
 ○今シーズン、新ひだか町静内地区周辺をでのマガン越冬は、過去16シーズンとは全く異次元の世界で、正直、私も予測は
   不能。従って現在、マガンがどこで越冬しているかは全く分からない。もしかすると、北海道での越冬を伊達市部分を除い
   てやめたのか、それとも、全く新しい越冬場所を見つけ、そこで越冬しているかの二つと思われる。
 ○新ひだか町静内、新冠町、日高町厚別川周辺には越冬している確率は低いが、かと言っ全く不可能ではない。理由は、ね
   ぐらとなるそれぞれの場所での河川が結氷していないことによる。

 ○一つの選択肢として新天地としては千歳市長都沼が考えられるので、一度調査が必要と思われる。ウトナイ湖、長都沼以
  外では、砂川市袋地沼、唄市宮島沼などが考えられるが、積雪量を考慮すると、困難と思われる。

●1月8日現在
 ○新ひだか町静内での越冬パターン、最初にマガンが渡来するY地区へと連日通うが、ここへと来た形跡はない。現在、積雪
   
約15pと採食環境も良くなく、事実、未だマガン確認にはは至らず。
 ○隣接するB地点も数日振りに行
ってみたが、ここも同程度の積雪があり、Y地区以上に越冬環境は劣悪で、今のところ渡来
   する雰囲気が全くない。

 ○数日後より、4〜5日連続し降雪との予報で、新ひだか町静内、新冠町での越冬環境は厳しくなる一方で、益々ここでの越冬
   確率は低くなるばかり。

 ○今シーズンは、従来の越冬行動とは異なる事象が多く、北海道新ひだか町静内での越冬開始以来続く
16シーズン連続の越
  冬記録はこのまま途絶えてしまうのか?。過去にも不安となるシーズンは何度かあったが、現在、それが現実とならぬ様にと
  祈るばかり。

●1月9日現在
 ○
新ひだか町静内、新冠町等でのマガンを確認することが出来ない為、千歳市長都沼での観察を試みる。
 ○展望台〜上流端の鶴沼橋の間を移動観察するが、ガン類は確認さできず。

 ○オオハクチョウ類82羽を確認、その後小群に分かれて千歳川方向に飛去し、1645分時点で20羽程度を確認
 ○環境状況は、上流端の鶴沼橋付近は全面解氷し、鶴沼橋下流から展望台までは中央部のみ解氷。展望台より下流は結氷。
 ○長都沼周辺の積雪深は4050cmと多く、採食不可能。
ということは、越冬不可能。
 ○ウトナイ湖、長都沼にいなければ、さてどこに居るのか。それともいないのか。全く予測付かず。
 

●1月11日現在
 ○1月10日は、日高町厚別川河口域、11日は日高町厚別川河口域、新冠町新冠川河口域、静内川河口域の3カ所でねぐら
   入りを待機するが、いずれもマガンは確認できず。
 ○本日現在、日高町厚賀町、新冠町、新ひだか町静内ではマガンは越冬していないことが判明した。さて、いずこで越冬?して
   いるのか、16年のデータ、経験を持ってしても今回は予測不能。
 ○過去、12シーズンの2007年は1月16日。13シーズン、2008年が1月18日という例もあるので、飛来をお待ちするしかなく、心
   待ちにしている。

●1月12日現在
 ○今朝、午前6時で新ひだか町静内のこの時期としては異例の-15度を記録。本日の最高気温も12時の-4℃と、今シーズンは
   一月に入っても寒い日が続き、気温低く融雪も進まない為、越冬環境は不良状態が続く。
 ○しかし、静内川、新冠川では結氷せず、積雪もは1015cm程度と、ぎりぎり採食可能であり、越冬不可能に非ず。

●1月15日現在
 ○本日も最低気温-14℃、正午現在でも-4℃と連日、気温が低い日がが続く。静内で低温注意報が発令される程。
 ○一見、マガンが静内での越冬を開始しない理由とも考えらるが、過去に昨シーズンを含め、まだ寒い日はあったので、それが
  理由とは、考えにくい。
 ○午後より、過去16シーズン、越冬採食として使用した場所を調査するも、マガンは確認できす。
 
●1月17日現在
 ○本日も最低気温-15℃、正午現在-4℃と連日の低温が続く。
 ○正午よりウトナイ湖周辺を観察するもマガンは確認できず。また、積雪もあり、やはり越冬環境は良くなく、ここでの越冬は困難
  という判断はも相変わらずに変化なし。
 ○新ひだか町静内でも、従来越冬地を巡回するが状況に変化なし。


●1月18日現在
 ○日高振興局自然環境係の方から、本日午後2時40分、新冠町大狩部でマガン126羽を確認したとの電話有。今季初確認。先ず
   はともあれ、今シーズン日高での越冬開始を確認。ひたすら安堵。

 
●1月19日現在
 ○地元の方、数名に越冬開始日を聞き取りし1週間前言う人、10日前からよりここで採食開始という人がいたが、10日前という方
   は昨シーズンまで観察経験有りなので、そちらを採用し、今シーズン越冬開始を1月10日とする

 
○新冠町大狩部地区で、今シーズンマガンを初確認。終日、ほぼ同場所で採食。

 ○過去16シーズン、全て新ひだか町静内より越冬を開始したが、今季初めて、新冠町から越冬開始となり、従来の越冬パターンが
   崩れた。

 ○大狩部での採食理由は、以下のとおり、風が強く積雪が少ない。過去にも採食利用地。見通しが良い場所など。
 ○厚別川は全面結氷。残るねぐらは新冠川か静内川であるが、静内川では未確認。故に故に新冠川しかない。
 ○17:02、ねぐらへの飛び出しで、厚別川方向へと群れが上空へと飛び上がる。しかし、厚別川は全面結氷。ねぐらは新冠川と想定
  していたが、厚別川方向への飛び出しは想定外。明日の調査で判明するか。
 ○今季、ウトナイ湖は12月5日が終認。結局、1月18日までの間、新冠町近辺での越冬していた可能性が大。さもなくば本州からの
   出戻りが考えられるが、確率は低いと思われる。

 
  
国道235号線沿いの採食地全景 (新冠町大狩部)